SaaSが当たり前になって来たからこそ、「情シス」に求められる役割や期待が変わってきていると思う。
僕は年末の忙しい中、体調を崩してしまい、1週間ほどおやすみしておりました。 このブログを書くことが復帰してからの初仕事(?)になりますw
情シスに従事されている方も、会社を経営している人にも是非考えてもらえたい、情シスの役割や期待が変化している背景をまとめさせていただきました。
あくまでも個人的な意見であり、見解ですので、是非コメントなどで、私はこう思うよ!ということを記載いただければ幸いです。
時代の変化として、重要なデータは「クラウドサービス」に保管されるようになった
2000年〜2010年ぐらいまでは、オンプレミスでサーバー構築し、何かしらのサービスをインストールして利用するのが一般的だったと思います。
例としては。
- オンプレのExchangeサーバに、メール・カレンダー等運用
- Active Directoryで、グループポリシーの運用
- ファイルサーバーを構築して、ファイル共有
クライアントPCも、社内ネットワークに所属するのが前提になってたと思います。
現在だと、
- Google WorkspaceやMicrosoft 365で、メール、カレンダー運用は当たり前
- Googleドライブや、Box Businessなどのクラウド・ストレージサービスでファイル共有する。
こんな感じに、「クラウドサービス」に重要なデータが保管されるようになってきてますよね。
1社あたりに導入するSaaSが増えてきている。業務特化SaaSの利用が増えてきている。
BetterCloud社の「The 2021 state of SaaSOps Report」によると、SaaSを活用している真ん中70%の企業では平均79のSaaSを利用しており、先進的にSaaSをフル活用しているトップ15%の会社は、平均212のSaaSを活用して、業務の93%はSaaSをベースに業務が成り立っている状態だそうです。
日本で、SaaS利用数を公表している会社を探したところ、SmartHR社が公開されていました。
SmartHR社では、71のSaaSを利用されており、社員一人あたり毎月7万円をSaaS利用量として支払っているそうです。しかもその費用は増加傾向にあるとか。
そりゃそうだよね。って理解でした。
この増加傾向の根底にあるのは、
かつて、オンプレミス・サーバで全従業員共通で利用するような業務を運用している様な、メール・カレンダー、ファイル共有、Wikiなどのサービスが早々とSaaS化し、それらは多くの会社で導入済みです。
次に起こる変化としては、業務に特化していたツール類もどんどんSaaS化されていると考えています。
例としては、
- Salesforce / CRM ・SFA
- マーケティングツール
- CMSツール
- BIツール(Lookerなど)
- 人事・労務系ツール(若干、全社系ツールか。。)
各部門、各ロールでのプライマリロールで、定義されている業務の負や、効率よく正しく業務を実施するためのSaaSが増えていくものと考えています。
これらの事実を鑑みると、1社あたりで導入するSaaSの数は増えていくのは自明かなぁと思います。
「重要なデータ」がクラウドサービスに乗り、「業務」もクラウドサービスに乗るように変化が発生していると思っています。
余談ですが、それに伴って情シスの対応範囲も広がっていってる理解です。
その変化に対応して、求められているスキルとは?
2つあると思っています。
- 社内にある重要データを守る から「クラウドサービス上の重要データを守る」ためのスキル
- 従業員のプロセス・成果を最大化するために、SaaSを最大限活用できるスキル
これらのスキルは従前担っていた情シスの対応範囲に、純粋にAddOnになるかなぁという理解です。
順を追って説明させていただきます。
「クラウドサービス上の重要データを守る」ためのスキル
従前、 企業で実装されてきた境界型ネットワーク・セキュリティの考え方では、「クラウドサービス上の重要データを守る」では対応しきれないと思っています。
クラウドサービス上の重要データを守るためには、Googleの「BeyondCorp」や、ゼロトラスト・アーキテクチャが注目されており、先進的な会社では、その実装を開始していると思います。
もちろん、SASE(Secure Access Service Edge)の導入も、検討候補にはいると思っています。
従前の「重要データ」にアクセスするためには、社内ネットワークに入ることで守っていた考え方から、モダンな考え方で多角的に「クラウドサービス上の重要データ」を正しく守るための、次世代セキュリティにアジャストするスキルが必要になると思います。
クラウドサービス上で行われる業務を最大限効率化するためのスキル
SaaSを最大限活用できると、自ずと効率化は最大化されます。だって、そうされるためにSaaSは開発されているのだから。
- そのために、SaaSベストプラクティスを探求し続ける。SaaSは利用者全員の生産性に大きな影響を及ぼします。
- 従業員がSaaSを正しく利用するためのチェンジ・エージェントとして振る舞う。
- SaaS間のインテグレーションをすることで、業務をシームレスに結合・自動化する。
- SaaS導入で改善だけではなく、業務自体も改善できるカイゼンスペシャリストに。
これらのスキルの特徴は、「SaaSOps」と表現されておりますが、SaaSを継続的に探求し続けるのは、多くの労力がかかりますし、自社に置き換えたら、どうなるだろう。という思考をし続けるクセも必要かと思います。
また、SaaSを最大限活用するに至るには、本人がそのSaaSを使い倒す事も必要ですし、それを他の人に伝えたり、変化を促すスキルを要するので、「情シスの仕事」の範疇なのかな?って思うこともあります。
多くの現場見てますが、SaaSをちゃんと最大限活用するのは、なかなかの難易度ですよね。特にMicrosoft 系の製品は。。
この2つのスキル、側面に気づいて、行動できている人は、モダンな情シスなんじゃないかなぁと思っています。 何かしら参考になりましたら幸いです。
次は、モダンな情シスに求められるスキルの深堀りとか、スタンスとか、そういう話をさせてもらおうかな。